コンプ(コンプレッサー)は、大きすぎる音を抑えて、ボーカルの音量をならす道具です。 歌ってみたでは、Aメロでささやき、サビで張り上げる、といった音量の差が大きいので、コンプで整えないとオケに埋もれたり飛び出したりします。 この記事では、コンプの種類ごとの性格と、無料で始められるコンプをまとめました。無料のものは、2026年9月28日に各社の公式ページで配布を確認しています。
コンプの種類と、ボーカルでの使いどころ
名前の付いた有名なコンプの多くは、昔の機材の回路の方式をまねています。方式ごとに「かかり方の性格」が違います。
| 種類 | 代表的なモデル | 性格 | ボーカルでの使いどころ |
|---|---|---|---|
| FET | 1176 系 | 反応が速く、前に出る元気な音 | 子音の飛び出しを抑える/ロック・アップテンポな曲 |
| 光学(オプト) | LA-2A 系 | ゆったり自然にかかる、なめらかな音 | 全体の音量をやさしくならす/バラード |
| VCA | SSL 系・dbx 系 | 素直で正確、色付けが少ない | 狙った分だけ確実に抑える/ハモリをそろえる |
| 真空管(バリミュー) | Fairchild 系 | 太く暖かい、まとまりのある音 | 仕上げに薄くかけて一体感を出す |
1176 系や LA-2A 系は、各社から有料の再現プラグインが出ていて、セールの常連です。国内のお店で円で買いたいときは、イケベ楽器店のダイナミクス・EQ プラグインの売り場(PR)も便利です。値下がりしたときは 今週のボーカル向けセールまとめ でお知らせしています。
定番の組み合わせ:2段がけ
1台で強く抑えると、音がつぶれて不自然になりがちです。歌ってみたでは、性格の違うコンプを2台、それぞれ軽めにかけるのが定番です。
- 1段目:速いコンプ(FET 系や VCA 系) — 子音や叫んだ瞬間など、飛び出す音だけを 3〜5dB ほど抑える
- 2段目:ゆったりしたコンプ(光学系や真空管系) — 全体を 2〜3dB ほどならして、音量をそろえる
それぞれが軽めなので、自然さを保ったまま、オケに埋もれない安定した音量になります。
無料で始められるコンプ4本
TDR Kotelnikov(Tokyo Dawn Records)
色付けがほとんど無い、とても素直なコンプです。公式でも「透明な」コンプとして紹介されています。 2段目で、音色を変えずに全体の音量だけならしたいときに向いています。 - 公式:tokyodawn.net
TDR Molotok(Tokyo Dawn Records)
こちらは反対に、かかり方の「味」を楽しむコンプです。特定の機材の再現ではありませんが、昔の機材の面白いくせを参考に作られていて、11種類のかかり方を選べます。 1段目で、ボーカルを前に出したいときに試す価値があります。 - 公式:tokyodawn.net
MCompressor(MeldaProduction)
画面でかかり具合を目で確かめながら調整できる、分かりやすいコンプです。 コンプを初めて触る人が、「どのくらい抑えているか」を学ぶのにも向いています。 - 公式:meldaproduction.com
OTT(Xfer Records)
帯域ごとにかかるマルチバンドコンプです。通常のコンプとは役割が違い、薄く混ぜて存在感や明るさを足す使い方をします。 ボーカルでは Depth(効きの量)を 10〜20% 程度まで下げるのが目安です。 - 公式:xferrecords.com
今セール中のボーカル向けコンプ
- 真空管風コンプ「C11 Compressor」が50%OFF(10/1まで) — 4段階の倍音キャラと、高域の抜けを足す Air つまみ付き
セールは終わっていることがあります。最新の状況は各記事と公式ページで確かめてください。
かけすぎのサイン
- 息づかいや口の音(リップノイズ)が急に目立つ → 小さい音が持ち上がりすぎています。レシオかスレッショルドを戻しましょう
- サビで声が前に出てこない → 抑えすぎです。1段目の量を減らします
- 「サ行」が刺さるようになった → コンプで歯擦音が持ち上がっています。後ろにディエッサーを置きます(無料ディエッサーまとめ)