EQ(イコライザー)は、音の帯域ごとに音量を上げ下げする道具です。 ボーカルでは「足りない帯域を足す」よりも、「邪魔な帯域を削る」使い方が中心です。削ってから足すほうが、自然で抜けのよい声になります。 無料のものは、2026年9月28日に各社の公式ページで配布を確認しています。
帯域ごとの目安
声の高さや録音の環境で変わるので、あくまで「探し始める場所」の目安です。
| 帯域 | 聞こえ方 | よくある処理 |
|---|---|---|
| 〜100Hz | 低いうなり・マイクの振動 | ローカットでばっさり削る |
| 200〜400Hz | こもり・部屋の響き | 気になるところを細く少し削る |
| 800Hz〜1.2kHz | 鼻にかかった音 | 鼻声が強いときに少し削る |
| 2〜5kHz | 言葉のはっきりさ・前に出る感じ | 埋もれるときに少し足す。上げすぎると耳に痛い |
| 5〜9kHz | サ行・歯擦音 | 刺さるときはディエッサーで |
| 10kHz〜 | 空気感・きらびやかさ | 少し足すと明るく開けた印象に |
無料のEQ
TDR Nova(Tokyo Dawn Records)
音量に応じて効き方が変わる「ダイナミックEQ」です。こもりや鼻にかかった音が出たときだけ削れるので、常に削るより自然に仕上がります。 - 公式:tokyodawn.net
TDR VOS SlickEQ(Tokyo Dawn Records)
つまみの少ない、音楽的なかかり方のEQです。細かい修正より、「全体を少し明るく」「少し太く」といった大まかな音作りに向いています。 - 公式:tokyodawn.net
MEqualizer(MeldaProduction)
画面で帯域を確かめながら操作できる、基本に忠実なEQです。ローカットや細い削りなど、修正用に使いやすい作りです。 - 公式:meldaproduction.com
有料のプラグインを国内のお店で円で探すなら、イケベ楽器店のダイナミクス・EQ プラグインの売り場(PR)も便利です。
帯域を目で確かめるには、無料のアナライザー SPAN(Voxengo)が便利です(無料プラグインまとめで紹介しています)。
EQの順番と組み合わせ
- ピッチ補正のあと、コンプの前に、ローカットとこもりの削りを入れる(削ってからコンプをかけると、不要な帯域に反応しにくくなる)
- コンプのあとに、明るさや抜けを足すEQを入れる
- 「サ行」の刺さりは、EQで高域を削るよりディエッサーに任せる(無料ディエッサーまとめ)
失敗しやすいポイント
- ソロで聴いて決めない:ボーカルだけで聴くと良くても、オケと混ぜると細すぎることがあります。最後は必ずオケと一緒に判断します
- 上げるときは広く、削るときは細く:足すときは幅を広くなだらかに、削るときは幅を狭くピンポイントに
- 同じ音量で比べる:EQで帯域を足すと音量も上がり、「良くなった」と錯覚しやすくなります